イオンプレーティング(物理蒸着:PVD)とは?

イオンプレーティング(物理蒸着:PVD)とは、真空中でプラズマ化したチタンやクロムなどの金属を窒素・炭素・酸素と反応させたセラミック膜を形成させる蒸着方法になります。
弊社で保有しているPVD設備は「電子銃溶融型イオンプレーティング」、「アーク放電イオンプレーティング」、「マグネトロンスパッタリング」の3方式の設備を保有しており、ワークササイズやご要求される成膜条件に合わせた加工機を選択する事ができ、金属製品に擦り傷や摩耗剥がれに強く、耐食性・耐候性に優れたイオンプレーティングでの意匠着色を得意としております。また、ワーク形状は球状から長尺物まで可能で、電気を通さない絶縁物でもイオンプレーティング加工実績が御座います。

【アーク放電型イオンプレーティン機でのクロム成膜原理】
【スパッタリング機でのチタン成膜原理】

弊社イオンプレーティング着色の特長

  • ワークの取付冶具や回転運動で成膜させる事で、表面全体に安定した着色が可能
  • 耐摩耗性に強く、折り曲げ試験で剥離しない密着力追随性がある膜質
  • CASS試験でも変色・腐食しない高耐食性膜
  • Ti膜とCr膜を使用する事で生体親和性を考慮
  • ワークへの負荷温度は比較的低温になるガス反応膜で160~300℃
  • 意匠製品で重要な外観品質管理

イオンプレーティング加工した製品実績

耐摩耗性や硬度を必要とする製品への着色加工

・釣具部品(SUS)
・建材意匠部品(SUS)
・車両意匠部品(SUS)
・腕時計外装部品(SUS)
・デジタル家電の筐体部品(SUS)
・包丁、ハサミ(SUS)※刃入れされた物は出来ません。
・ネジ・ナット類(SUS、硬質Crめっき付鉄)
・鉄球(硬質Crめっき付鉄)
・ゴルフクラブのヘッド(硬質Crめっき付鉄)

鉄球(硬質Crめっき付)
生体親和性があるチタン膜やクロム膜によるイオンプレーティング着色加工

めがねフレーム(チタン)
医療器具(チタン、SUS)
ネックレス、指輪(チタン、SUS)

めがねフレーム
プラスチックの金属質感化(メタライズ加工)

めがねフレーム(PPSU)
シャフトパイプ(CFRP)

CFRPパイプ
難めっき材への導電・電磁波シールドとしての金属薄膜PVD加工

金、銀、銅、黄銅などの金属膜をスパッタリングでワークを自転・公転させ、熱負荷100℃以下で全面加工
(各種プラスチック、塗装、ガラスやセラミック、FRP、化学繊維など)
※弊社でEMC試験などの電磁波シールド効果の確認試験は出来ません。

CFRP上に各種金属電動膜を加工

イオンプレーティング(PVD)のカラーイメージ

※ 画像モニターと実際のカラーとは異なって見える場合が御座いますので、ご了承をお願い致します。


最大ワークサイズ・仕様

各イオンプレーティング膜の品質

IP仕様名ホワイト10グレー11シャンパンゴールドブラウン40新色ブラック
蒸着金属Cr膜Cr膜Ti膜Ti膜Ti膜、Cr膜
硬度押込み荷重:10mNHV 400~500HV 600~700HV 300~400HV 500~600HV 500~700
密着性

折り曲げ試験 
Φ18mm 90度

PASSPASSPASSPASSPASS
超音波振動試験 PASSPASSPASSPASSPASS
耐衝撃性デュポン式衝撃試験 
鐘500g 500mm落下
(JIS-K5600-3)
PASSPASSPASSPASSPASS
耐食性CASS試験 48時間
(JIS H8502)
PASSPASSPASSPASSPASS
塩水噴霧 48時間
(JIS H8502)
PASSPASSPASSPASSPASS
耐熱性200℃x30分PASSPASSPASSPASSPASS

イオンプレーティングについてのお問い合わせ先

<表面処理事業部>
Tel : 0778-51-5000 → 13
Fax : 0778-51-9024